関西座禅道場 細道会(俳句会)

 細道会(関西支部 俳句部です。宜しくお願いします)

 (世話人 柏谷絶学 連絡先:yoshiaki.kashiwaya@nifty.com)

 細道会は、故炭﨑博先生のご指導の下、平成13年(2001年)8月5日に第1回の吟行が関西支部の道場で行われました。以後、回を重ね現在93回まで来ておりましたが、炭﨑先生の体調の悪化とともに休止状態にありました。さらに、昨年2019年11月8日にご逝去され、先生の追悼句会を計画中に新型コロナウィルスの蔓延のために、休止状態にあります。
 
一方、平成28年(2015年)2月19日から、インターネット句会を始め、毎月19日は「俳句の日」と定めて、会員から俳句を募集し現在に至っております。

 
*毎月十九日締め切り
 *一人三句まで
 *上記絶学まで、メールで送信

の簡単な投句の場です。

皆様お気軽にご参加ください。初めての方も大歓迎です。

 第57回インターネット句会(〆切10月19日)

10月19日

森山凱風

薄紅葉山色気立ち登山客

赤い羽根皆より偉く見ゆる哉

山の辺の秋郊人を歩ませる

 

 

佐藤泰仁

登る坂秋夕焼けに鴉二羽
天窓の陽射しほの薄秋の朝
 

世古みのり

この先に古寺ありと秋の鐘

昔語り老ひ給ふ母菊日和

疫病禍去年より咲くや杜鵑草

 

世古智常

あらばしり酌む約束や九年来る

秋晴れや六甲山を窓に置き

杜鵑草咲きましたよと妻の声

 

加藤碩信

つつましく生きる余生や吾亦紅

少し呆け少し悟りて秋深む

秋晴れや胸を張らねば影老いる

 

前田空果

星月夜億光年といふ刹那

宵闇や素数孤高にして孤独

車谷長吉読めばうそ寒き

 

 

時女俊恵

蕎麦咲いて娘十九になりにけり

おめでとうを赤いポストに秋あかね

 秋天や吾子住む街に光あれ

 

土井重悟

これやこの追分宿のとろろ汁
黄金の稲田の涯に鷺の舞ふ
駅前の唄ふ男子に月微笑ふ 

 

三原寿典

白川をそぞろ歩きや酔芙蓉

川原ゆく人皆美しき良夜かな

穭田を突っ切る車窓平良の山

 

柏谷絶学

老母(はは)ひとりホームに残し吾亦紅

壁際に寝返り打てば身に入むや

新米は大事に仕舞いそばに置き

 

上田月庵

金風や生死をしれば恐ろしき

敗れ荷や元に戻らぬこの病

とにかくもインフルワクチンぬくめ酒

 

10月17日

橘 雅子

茶の花へ香を嗜む僧会釈せし

うろこ雲冉冉とゆく西の方

京言葉はんなり緋色紅葉狩り

(炭﨑先生に選を頂いた句です。銀閣寺の吟行に御一緒して頂いた

 時を思い出し御指導を感謝して  合掌)

 

橘 覚雄

帰り道出会ふ人なき夜寒かな

金閣寺僧の背中に散り紅葉

葡萄棚手よりも先に口がいく

 

井内温雄

坪枯の浮塵子(うんか)憎しと句友かな

爽快や坐後のはたらき落葉掻

桜井市にて

神奈備や月煌々の土舞台

第56回インターネット句会(2020年9月23日〆切)

9月23日

坂本法燈

寝返りす孫を見つめる柿一つ

(お孫さんが可愛くてしょうがないと、ほほえんでいらっしゃる法燈さんが目に浮かびます。)

 安居去り庭に飛び交う赤とんぼ

(安吾は、夏の季語でした。雨安吾、夏安吾、夏行などと同じ扱いとなります。赤とんぼが、秋の季語なので、季違いとなってしまいますね。)

 須磨浦に鯵釣り思ふ古ぞ

 

坂本由美子

夕焼けに見入る孫の目そっと見る

(お孫さんを可愛がっていらっしゃることがよくわかる句です。)

ゆらゆらとのうぜんかずらたゆとうて

(すべて平仮名にされたところにこの句の趣が出ました。
 せっかくですので、旧かなに致しましょう。
「ゆらゆらとのうぜんかつらたゆたふて」)

 お月さま指さす孫を抱き上げる

   

柏谷絶学

おしろいの花生けて待つ禅堂場

(道場の庭におしろいばなが綺麗に咲いていました。

 白粉花、夕化粧とも書き、夕方から夜にだけ咲く花です。土曜の夕方からの静座会のときに、また来年も~)

無花果や鳥と競いて味わいぬ

(無花果は熟してきたら、鳥に食べられてしまいます。鳥に取られてしまったと怒らずに、のんびりとこのような句を詠むのは最高!)

サツマイモ蒸(ふか)せど焼けど煮れど良し

(サツマイモの美味しい季節ですね)

 

時女俊恵

爽やかや作務終え若き友坐る

(ズバリ、森口さんのことを俳句にされました。

 この度の摂心で、時女さんと森口さんが入会されて、おめでとうございます。

「爽やかや」という季語が効いていますね!)

 身に入むや国勢調査母ひとり

午後五時の半額シール初秋刀魚

(生活に密着した俳句。下五に初秋刀魚がきたことで成功しています。)

 

三原寿典

(土曜静座会と後の作務に参加して)

伽羅の香や拝み太郎も禅堂に

(拝み太郎が線香の香りに誘われたのでしょうか。禅堂を履いていたら、たまにバッタやカマキリがいますね。)

職人の掛け声勇む白露かな

(誰のことでしょう? トイレを直していた人がいましたね。)

居士の炊く玄米粥や秋初め

(土曜正坐会の後の玄米粥接待、美味しかったですね。老師にお出しする玄米粥を我々もご相伴出来て嬉しかったです。卵焼きも美味しかったです。)

 

上田月庵

あれこれと捨てた後にも虫の声

(深い句ですね。私はこの句大好きです。恐れ入りました!)

四つ相撲胸のすくよな技になり

(「胸のすく技となりけり四つ相撲」としては、いかがでしょう。)

 

田倉明眼

早稲の香のそっと入りくる夜明けかな

(とても美しい句ですね。香りと光のバランスが絶妙。) 

 潮の香やコロナの夏の終わりゆく

鉦太鼓鳴らず一群曼殊沙華

(曼珠沙華の咲いている静かな風景が浮かびます。)

 

世古みのり

初秋や風の軽さに気がつきぬ

(秋がやってきた!という感じがよく出ています。)

声爽かよき出来事のあつたらし

(身近なことを十七音の中に上手く表現されています。
 声の主、どんないいことがあったのでしょう?)

 缶を開け初物さんま食む夕げ

 

佐藤泰仁

師を偲び俳句ひねる日天高し

(炭﨑先生の命日、来月です。それぞれに想いが胸にこみ上げますね。 天高しと結ばれたところが、すばらしいです。)

 朝見上ぐ陽は強くして肌寒し

 初冠雪樹海座布団富士の山

(樹海座布団、面白い表現ですね。富士の様子がよくわかります。)

 

世古智常

ウーバーの飛脚や白秋より来たる

(最近の世相を反映した句に白秋という綺麗な季語を入れたアンバランスがいいですね。)

しみじみと帰省子を待つ歳になり

(さらっと詠まれていて、こちらに伝わってくるものが深いです。佳句だと思います。)

子に送るダンボールかな思草

(思草、南蛮煙管のことですね。下を向いてちょっと悲し気に咲いてるように見えます。なかなかお子様と会えない気持ちを上手く季語で表現されてると思います。)

 

森山凱風

秋の夜や友のメールに安んずる

(どんなメールがきたのでしょうか。安心されて、心安らかになられてよかったです。)

枝豆の皮散らかして昼寝かな

(面白い句ですね。一茶のような〜)

 毎年の駄作の罪を子規忌寄せ

       

9月20日

加藤碩信

秋の蚊の刺すに任せる坐禅かな

(刺すに任せる という表現から、真剣に坐禅に取りくんでいらっしゃる心を感じます。)

作務止めの板木響くや秋高し

傾ぐ身に警策の飛ぶ夜半の秋

(摂心での一コマがありありと目に浮かびます。八十路を過ぎて猶衰えない情熱を感じます。)

 

橘 雅子

浪速津の石碑巡りや西鶴忌

 (西鶴忌は、初秋の季語。『好色一代男』や『世間胸算用』で有名な井原西鶴(16421693)は、もとは、大阪の町人でした。石碑巡り、よかったことと思います。)

鬼の子は宙ぶらぶらり好みおり

(鬼の子は、蓑虫のこと。何気ない句ですが、「ぶらぶらり」の擬態語が効いています。)

床に掛く連歌の古筆虫の声

(掛け軸の連歌の古筆 と 虫の声 の付き方が、良いと思いました。)

 

橘 覚雄

長き夜に無量壽経を解く法座

(秋の夜長にお経の話、ピッタリです。)

湿る夜の床下に聞く虫の声

(床下に虫の声を聞きながら過ごす夜、なかなか趣があります。)

けなげなる岩の裂け目に草の花

(草の花の強さを語るいい句だと思います。)

 

土井重悟

 たおやかな指の先なる風の盆

朽ちて猶彩散らす百日紅

(綺麗な句です。百日紅の花が地面やベンチに散っているのも又とても美しいものです。「彩散らす」という表現がいいですね。)

ほのぼのと蝋燭囲む野分かな

(2年前の台風では、停電が一晩中続き、久しぶりの蝋燭を囲む夕餉でした。重悟さんも、このときのことを俳句にされたのでしょうか。)

 

9月17日

井内温雄

借り住ひ気楽にいこよ思ひ草

(思い草は、実はススキ、ミョウガなどに寄生する植物です。季語を上手く、楽しく使ってらっしゃいます。南蛮煙管の花の下を向いたような姿が、我を張らず、無理をせず、気楽に〜そんな感じに見えますね。)

道案内指さす方や稲光

(現代的な写生句ですね。臨場感が伝わります。)

喉通る酒に勢ひ衣被

(衣被は、スルッと剥けます。お酒もスルッとどんどん喉を通っていくようですが・・・控えめにお願いします。)

 

 

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第55回インターネット句会(2020年8月19日〆切)

坂本法燈

諍いを経るたび近し夏の嬬

(言い争い、口喧嘩で、ますます近づく仲。素敵な句ですね!)

 ブルベリ狩り甘く切ない孫旅行

夏四度幼女は今や少女たり

(お孫さんの成長、楽しみですね。)

 

坂本由美子

いつもならこの橋の上花火あり

(コロナのために毎年の花火大会も中止されて、残念に思う気持ちを表されたのですね。)

 コロナ禍で日影にそよぐすずしさよ

コロナでもノンアル分けて飲む夕食(ユウゲ)

(いいですね!)

 

上田月庵

雷鳴に確かめたるや梅雨の明け

(長い梅雨が、雷でやっと明けました。「確かめたるや」の切れが良いですね。)

 連日が危険な暑さ身も細る

鳴き尽くしいまは仰向け油蝉

(精一杯生きた後の骸、なんとなく捨てがたく、私のベランダにも二頭)

 

世古みのり

柚子坊は知らぬ間に葉を食べつくし

(みのりさんらしい素直な優しい句です。(私は、この種類の虫が苦手です〜))

 父が来て義父義母(ちちはは)が来た盆休み

ことの葉を並べ遊んで八一九(俳句)の日

(なるほど!ことの葉並べ、楽しそうですね。この日は、坪内稔典さんが、1992年に俳句の日に制定してるそうです。)

 

加藤碩信

高原の野外のバレエ星涼し

(「高原の野外のバレエ」と「星涼し」の付き具合が良いですね。)

 ほととぎす森の茶房の窓明けて

森に逢ふ農婦の和顔花あざみ

(情景が思い浮かびます。メルヘンを感じる句。)

 

18

三原寿典

秋暑しひこにゃんの笑みに癒されて

(彦根に行かれたんですね。)

蝉むくろ観音堂へと続く径

(蝉の骸が、観音堂へと案内しているような。)

(おと)送る六点灯す大文字

(今年の大文字はコロナのせいで六点でした。弟さんを見送って手を合わす姿が見えるようです。)

 

橘 雅子

 警策や三打の痛み夏安居

豆皿に氷菓子分くるたづたづし

(趣のある句で、「たづたづし」が効いていますね。

 中7を「氷菓子分く」としましょう。「分くる」は、連体形なので。「分く」と終止形にすると切れもできて、7音で中七がおさまり、ますます良い句になります。)

「豆皿に氷菓子分くたづたづし」

空蝉の百の亡骸他生の縁

(さすが、橘先生の句だ!と思いました。)

 

橘 覚雄

稲妻の百万ボルト割れる空

(いいですね、現代的な作風!)

蜩の耳に残りて寂し夜

(蜩の声が、哀愁を誘いますね。「蜩の耳に残りて夜寂し」いかがでしょう。)

 園飾る朝顔の花色の紙

 

柏谷絶学

大文字逢魔が刻の無言かな

(逢魔(おうま)が刻、逢魔時、かわたれ時、たそがれ時、暮れゆき、当たりがぼんやりとしている時間ですね。今年の大文字は、六点だけのちょっと淋しいものでしたが、それなりの趣がありましたね。)

三井寺や閼伽井屋の井戸法師蝉

(三井寺の閼伽井は、天智、天武、持統天皇の産湯に使われたと言われていますね。井の字が三つ入っているのもいいですね。)

ベランダの蝉の骸は一つ増え

(内容はとても良いのですが、散文的になってしまいました。

「ベランダの蝉の骸やまた一つ」 (切れを作ってみました。))

 

世古智常

 平熱がこれほど暑いことを知る

 炎天下どうしてもまだ見つからぬ

手伝えば妻の心も涼しかり

(何を手伝ってあげはったんのやろ? いい句ですね。)

 

森山凱風

秋立つや夜気落ち着いて生き返り

(今年の夏の暑さは、参りましたね。まだまだ、昼間は厳しい暑さですが、・・・)

 風鈴の音色が形見分けらる

人の世にコロナ禍あれど夏盛り

(コロナ禍でも、季節はいつもどおりに過ぎて行きますね。)

 

時女俊恵

 蝉の殻目あり爪あり意志もあり

肚で泣く就活生や蝉時雨

(泣き顔も見せられない就活生。たいへんですね。蝉しぐれは、思いっきり泣いているのに〜季語の使い方、成功していると思います。)

蝉鳴くや宇宙となりし小さき庭

(着眼点が、すごくいいですね。 残念なのが、「〜し」が、過去の助動詞「き」の連体形で、だいぶ前のこと、昔のことになってしまいます。このようにしてみては〜

「蝉鳴くや宇宙となりぬ小さき庭」

(「ぬ」は、完了の助動詞ですので、宇宙となってしまった!という感じになります。)

「蝉鳴きて宇宙となるや小さき庭」

(切れ字を中七の後に持ってくると、宇宙となる!ということに感動が集まります。))

 

17

土井重悟

帰省盆母はますます小さくなる 

(重悟さんが帰省されて、お母様もさぞ喜んでいらしゃったことでしょう。)  

やられても潰されはせぬ石榴の実

(強さ、根性を感じる句です。中七の後に切れがあり、実際にやられても潰されないのは、心、信念なのでしょうか。ここに柘榴の実を持ってきたところもお見事!)

橋本の遊郭絶えて鳳仙花

(橋本の遊郭の碑だけが残されましたね。鳳仙花で、上手く付いて良い句になっています。

「橋本の遊郭の絶ゆ鳳仙花」と、すれば切れができて俳句らしくなります。)

 

田倉明眼

カタカタとリボン鳴りおり藁帽子

(藁帽子の子が走ってるのか、飛びはねているのか、そのたびにカタカタとリボンが鳴っている・・・なんでもないこの描写がいいですね。また、カタカタという表現が面白いと思いました。)

赤とんぼ道の真ん中譲らざり

(この句も面白いですね。自転車で走っていて、赤蜻蛉が道の真ん中にいて動かなかったらびっくりしますね。見事にそして、ユーモラスに一瞬の出来事を捉えています。)

空き店の前に花売る終戦日

(「空き店の前に花売る」と「終戦日」の付き具合が、良いですね。

色々なことを考えさせられるような句でるように思いました。)

 

井内温雄

 文音の付句をメール夜長かな

香具山の粟花抜けてあすかの湯

(素直な句で、情景が思い浮かびます。歩き疲れて、温泉に入られたのですね。スーパー銭湯のCMに使えそうな句とも言えるかも()

圓福僧堂

数息観仕切り直しや蚊の餌食

(蚊に噛まれながら、また一からの出直しですね。がんばって! 温雄さんらしくて、良い句ですね。)

 

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第54回インターネット句会(2020年7月19日〆切)

佐藤泰仁

 ため息も一息抜けぬ夏マスク

 暴れんと静かに去れや送り梅雨

 庭木陰 伸びるユーカリ 脱世俗

 

橘 雅子

 香つまみ母を語りし盂蘭盆会

 梅雨の雷運命の曲雨戸打つ

 警策の三打の響き雨安居

 

橘 覚雄

 滴りを権現さまと口すする

 門前の百華眼に入る百日紅

 朝食に初取り胡瓜もみて喰ふ

 

土井重悟

 新内の音に誘はれて御濠端

 膳据えて客を待ちたる夏座敷

 路地裏に児等駆け抜けて夏祭

 

森山凱風

 声かけて人まちがいのサングラス

 衣更生徒のシャツの白眩し

 粋がりて男もすなる日傘かな

 

田倉明眼

 葦簀より透ける初夏なり空青し

 鬼百合が一輪咲きて雨やめり

 夏祓痛き膝にてくぐりけり

 

世古智常

 小走りに追いつく妻に木槿咲く

 底暗い甕が宇宙のメダカかな

 蜻蛉にも生きがいがあり趣味もあり

 

世古みのり

 言祝ぎを空で唱える愛逢月

 あでやかに門出を祝う梅雨晴れ間

 娘を送る母に重ねた七夜月

 

時女俊恵

 一歩目を出しつ戻しつ鷗外忌

 青梅雨やふるべゆらゆら鶏の鳴く

 梅雨の月義父の書棚のフランクル

 

三原寿典

 観音の手水を飾る四葩かな

 瑠璃鳥の語る千年法勝寺

 コロナ渦や母見舞ふ途に青時雨

 

柏谷絶学

 老翁や亡き師と語る長楽寺

 師と共に訪ねし寺も梅雨の中

 西行の住し庵や梅雨濡らす

 

上田月庵

 梅雨晴れ間カフェに緩やかディサフィナード

 五月雨や五月雨らしく五月雨れる

 息子来て話のついでに冷素麺

 

坂本法燈

 南国は下から降りぬ夕立ぞ

 梅雨明けど今年天神なしと聞く

 みどりごに五月蠅なす神振り向くな

 

坂本由美子

 ぶっ飛ばせ蝉大合唱コロナ禍を

 そっと持ち蝉のなきがら地に還す

 乳出よと甘酒つくるじいじかな

 

7月17日

加藤碩信

 絽の羽織棋聖位奪ふ十七歳

 梅雨深し朱色目に染む弁天堂

 天女舞ふ像にずっしり梅雨かな

 

井内温雄

 緑陰のゆがむ硝子や無名庵

 山梔子や戻る嗅覚翁寺

 給付金エアコンに消ゆ赤字かな

 

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第53回インターネット句会(2020年6月19日〆切)

6月19日

坂本法燈

 紫の朝顔薫る堆肥場

 夏安居に突き抜け透れ葛藤の庭

 人垂らし孫の笑顔よ夏の日よ

 

坂本由美子

 妹生まれ泣く兄の背に汗疹でき

 新緑をヘリコプターも嬉し気に

 

三原寿典

 五月雨にけぶる墨絵の松林

 サルビアや観覧車今頂上に

 青梅雨の水輪(みなわ)の池や弁財天

 

世古智常

 我を見てにやりと笑ふ青蛙

 含羞草立ち上がるのをぢっと見る

 さまざまなことを飲み込み入梅す

 

上田月庵

 病棟のしじまの果てに亀鳴けり

 赤潮の流れるがごと透析機

 老鶯のひねもす続く長広舌

 

世古みのり

 枝豆の真青き味に頰ゆるむ

 短夜にあれやこれやと夫を待つ

 年いけど子諌めし母夏つばめ

 

柏谷絶学

 立葵爪先立ちの男子かな

 夏燕休耕田の上に舞ふ

 梅雨晴間水路の水はいそがしく

 

田倉明眼

 青葉風狛犬遠き海睨む

 田水入り明るき朝の始まれり

 青田越し白きマスクの行きにけり

 

6月18日

森山凱風

 六月に庭木払いの清々し

 七変化白き手毬の引き立ちぬ

 青芝やドクダミ一掃緑活く

 

加藤碩信

 カンバスは夏空ブルーインパルス

 紙屑は舞はずダービー無観客

 夏至の日やぐうたらの日々折り返す

 

6月17日

井内温雄

 方広寺雨安吾制中大接心

 鳴き声の拈底したか不如帰

 経行の堂に捕獲の蝮かな

 雲水とストロベリーの更けし夜坐

 

6月15日

橘 雅子

 晨朝会僧の墨染衣がへ

 こくな世もさまざまに飛ぶ夕蛍

 雨戸打つ運命の如く梅雨の雷

 

橘 覚雄

 灯明に人影一つ夏の月

 明日はなし諸行無常の初睡蓮

 缶ビール友と乾杯オンラオン

 

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第52回インターネット句会(2020年5月19日〆切)

※今回は全国からコロナ関連の俳句を募集しております。沢山の御投句ありがとうございました。

 

人間禅総裁 佐瀬霞山

 葉桜の剣道場もウイルス禍

(投句ありがとうございます。毎月やっておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。)

 

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5月19日

 坂本法燈 

笑みあふる寿司屋の兄ちゃんコロナ明け

席三つ空けて坐るも寿司美味し

臨月にコロナ打ち勝て夏来たる

(また、お孫さんが一人増えそうですね。)

 

坂本由美子

咳されて後ずさりする気まずさよ

孫来るも抱き上げられぬ夏の日や

(辛いですね。)

→孫来るも抱き上げられぬ立夏かな

バラ咲いてコロナ想うは形似て

 

世古智常

携帯の笑顔と酒を酌む五月

号令で自粛する民麦の秋

(日本人のいいところでしょうか? 悪いところでしょうか?)

 街は今金魚一匹いなくなり

 

世古みのり

目に見えぬごときに翻弄風五月

(悔しいですね、サブミクロンのウィルスに。)

五月晴れ晴らしておくれこの気持

青嵐づかづかと来て大暴れ

 

橘 雅子

知らぬふり草間の陰の落し文

 どくだみの花いとおしや抜きて来し

窓辺より繰り入る若葉マスク縫ふ

(繰り込むを調べてみましたが、入り込むの方が良いかと思いました。)

 

橘 覚雄

空青し茶碗に泳ぐ鯉幟

夏来る児等は路面にアンパンマン

戸を繰ればサアーと入りくる若葉風

(光景が想像できていいですね。)

 →戸を繰ればすがすがしきや若葉風

 

加藤碩信

春満月コロナ籠りの窓明けて

飲み会もオンラインにて缶ビール

(飲み会ではジョッキーか瓶ビール。缶ビールが、今の現状を的確に表現していますね。)

煎餅の袋に寄り来袋角

(奈良の鹿も観光客が居なくて寂しそうですね。)

 

5月18日

時女俊恵

 子どもの日遊べや遊べ子ら遊べ

えご散るや若き力士の逝去知る

長期戦覚悟はあるかと守宮かな

(第二波が来るかもしれません。不安ですね。)

 

井内温雄

◎夏立つや臨時に休む石舞台

(石舞台もコロナには勝てませんね。)

夏来るオンラインにて坐禅かな

 山の辺の道終点

仏教の伝来の碑や風薫る

(温雄さんの周りにはいいところがたくさんありますね。)

 

5月17日

森山凱風

コロナ禍に子供の日にも声聞かず

人の世にコロナ禍あれど夏来たり

(四季は、世の中の動きに関係なく移ろう。)

 コロナ禍よ止めと願いて菖蒲咲く

 

5月13日

三原寿典

閑としたミュゼに石楠花咲き誇り

(ミュゼが効いていますね。)

三密を逃れ鞍馬や薄暑光

校庭に生徒来ぬまま花は葉に

(私の好きな句です。人間世界では寂しい校庭ですが、そんなこと関係なく季節はいつもと変わらずに移ろって行きますね。)

 

5月11日

田倉明眼

春うらら祭りの渡御はなけれども

(各地でいろいろなお祭り、催しが中止なっていますね。)

所在なげ春風眺む瞳かな

(学校が休校になって、やることがない子供たちはかわいそうですね。)

かたばみの小さきは小さき実を持てり

 

5月11日

柏谷絶学

夏安居の如き在宅勤務かな

(こもりっきりで、独りで実りあるお仕事をされたことでしょう。)

人消えて芍薬塀を越えて咲く

時だけが静かにながれ著莪の花

 

5月10日

上田月庵

ウイルス禍峠は見えず春時雨

(今やっと峠を越え、終息が見えてきましたね。)

柔らかになほやはらかに若葉雨

入院の宣告受けし五月晴れ

(お躰大事にしてください。また、細道会でお会いするのを楽しみにしています。)

 

5月8日

土井重悟

幼き日手に怖々の五月雛

(記憶の中の人形は、幼き子供の心にいつまでも残るものですね。

 五月人形と五月雛の違いがちょっとわかりませんでした。)

 青葉食む毛虫生きとし生けるもの

緑陰の微笑覚ます羽音かな

(難しい句ですね。説明文が必要かもしれません。)

 

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第51回インターネット句会(2020年4月19日〆切)

4月19日

佐藤泰仁

末娘ネットに向かい入社式

窓越しに溜息一つ花吹雪

(外に出られない今と、花吹雪の組み合わせがいいですね)

 我が心洗い流せよ春時雨

 

坂本法燈

 王冠に桜も驚く閑静さ

人の消えせせらぎ匂う桜道

天覆う夜桜に酔う城ほとり

(大阪城の桜綺麗ですね、また行きたいです。)

 

坂本由美子

コロナだけ大手を振って歩いてる

(コロナだけ大手を振って歩く春  としてみました。)

 公園でコロナに負けず子ら走る

(春風やコロナに負けず走る子ら  とすれば季語が入りますね。)

年とると来年桜見れるかな

 (来年は、今年よりももっとすばらしい桜がみられるはず!)

 

世古智常

 春街道歩きて江戸を目指しけり

満天星の花に強気を垣間見る

馬酔木揺れ父が肩貸す一輪車

(情景が思い浮かびます。一輪車、がんばって!)

 

三原寿典

嫋やかや近衛邸跡糸桜

(御所の北側の桜、毎年綺麗ですね。)

花万朶比叡裾野に色を添へ

花盛り露店禁止の看板が

 

世古みのり

人々の足早々と春かなし

(本当にそうですね今年の春は、浮かれると言うことがないですね。)

朧月ふれず語らず夜を照らす

(誰もいない所にも月は照らしていますね。)

腹案がコロコロころぶコロナ春

(擬態語の使い方が上手いです。アイロニーが効いていいですね。)

 

柏谷絶学

 満開の花も寂しやウィルス禍

鰊蕎麦我も道産子京の春

(鰊は春の季語ですが、鰊蕎麦は季語にはなりません。絶学さんは、京都人とばっかり思ってましたが・・・)

唐橋や急がば回れ湖の春

(コロナの自粛については、急いで解かれても又広がってしまうかも~急いではいけませんね。)

 

橘 雅子

垂るるや黄山吹と旅箪笥

(枝垂るるや、の書き方もありますね。)

百五歳母へ玄孫と花便り

(長生きのお母さん、さらに長寿をお祈りいたします。)

 畝作り腰はくの字で胡瓜植ゆ  

 

橘 覚雄

 我が庭の朽ちつ老木花満開

ステンドに光彩和し麗かに

紋白蝶片羽根失せて我が肩に

(優しい人が分かるのですね。怪我は良くなったでしょうか。)

 

上田月庵

春嵐今朝も変わらぬ一炷かな

(嵐が来ても動ぜぬ一炷香さすがです。)

春愁や傘寿で分かれるトリアージ

(トリアージ、今我々が直面している難題、皆で力を合わせて乗り越えましょう。)

春雨や一雨ごとに柔かき

 

4月18日

時女俊恵

コロナ禍に静まる街や猫の恋

(静まる街の中で、猫は声が際立ちますね。)

 ステイホーム難解折紙春朧

独り居の母よ踏ん張れ鼓草

(私の母も一人で、頑張っています。とくに今は誰も訪ねられません。)

 

加藤碩信

龍天に昇りてコロナ暴れたる

(雲を起こし雨を呼ぶ!今度はコロナまでも!でしょうか。)

花疲れ三好達治の詩集閉づ

(この句の境地、なかなか私どもには、、、)

春暁や覚むにはまだ惜しき夢

 

土井重悟

 降りられずニャーと子猫の軒の上

だいこんの花摘む妻の指細く

(連句の恋句になりますね。)

空き缶の浮く川蜷が泥を吐く

 

森山凱風

 春の雲風に飛ばされ青い空

桜餅葉の塩加減味千両

(葉の塩加減も大切ですね。私も葉までいただきます。)

白木蓮角隠しとは似て非なる

(白木蓮は優しいから、角を隠さなくてもいいかもしれませんね。)

 

井内温雄

葉桜や大和三山ひと巡り

 コロナ禍や甘樫の丘登り来て

飛鳥川大堰うねる花の屑

(春の終わり頃もまた良さそうですね。訪ねて見たいものです。膝は大丈夫ですか。)

 

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第50回インターネット句会(2020年3月19日〆切)

3月22日

坂本法燈

 夫婦鴨なくてはならぬ絆あり

 春日落ち夕闇迫る大川端(ハタ)

 鴨散りて水面に憩う黄昏ぞ

 

坂本由美子

 春雨をもらい膨らむつぼみかな

 桜待つこの時期だけは空見上げ

 さびしいなみかんの終わり近づいて

 

田倉明眼

 ミモザ揺る遥かに海の光りおり

 呼ばわれば孫はいくるや春の風

 舟後に鴎浮かべり春の海

 

世古みのり

 私似の干し方並ぶ里うらら

 コロナの春要するにこれ戒めか

 大いなる春の国乱到来す

 

世古智常

 暖かや妻の手作りマスクかな

 春登山木漏れ日まといこんにちは

 歯の銀の取れて小さく山笑ふ

 

森山凱風

 春めきて川の魚魚飛び跳ねる

 黒土が陽光誘う春来たる

 飛火野や雌鹿毛落とす春来たる

 

佐藤泰仁

 コロナ禍に動ぜず凛と春の富士

 暗闇を照らすや辛夷遊歩道

 蹴散らせやコロナに花粉春一番

 

柏谷絶学

 初花や百まで生きると米寿母

 沈丁花香りで誘ふ御土居かな

 成仏を幸せと読みうららけし

 

3月19日

橘 雅子

 一杓に左手清めし水温む

 土塊に蚯蚓二匹鍬の先

 長閑なり乳をまさぐる稚の指

 

橘 覚雄

 長谷寺の赤き炎か牡丹の芽

 四天王寺響く読経の涅槃会

 啓蟄や壁の内からギターの音

 

上田月庵

 紅梅の香りは写らぬスマホかな

 話しつつ土筆摘みつつ母娘連れ

 春風や運ばれ来たるイエスタデイ

 

時女俊恵

 菜の花や休校中の通学路

 常磐線全線開通山笑う

 今になり父と呑みたし蛍烏賊

 

三原寿典

 利休忌や一輪活けを草庵に

 別れ霜昔の恋を忘れかね

 孕み鹿慈雨に濡れゆく春日山

 

井内温雄

 歓喜なり甘樫丘風光る

 草臥れの翁の句碑や風光る

 膝金具抜きて退院風光る

 

加藤碩信

 春の川のたりと回る水車かな

 老い二人籠りゐる午後春の雪

 地球とふいのちの器水温む

 

3月1日

森田さとみ

 成す事を己と世に問ふ流し雛

 大臣の育休いずこ宰の一声(季なし)

︎ 難事塞翁が馬ならん流し雛

 

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